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【離婚調停の費用ガイド】申立費用から弁護士報酬まで徹底解説|費用を抑えるコツも紹介

2025 8/01
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2025年8月1日
目次
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1. はじめに|離婚調停にどれくらい費用がかかる?

離婚を考えた時、多くの方が気になるのが「調停にかかる費用」です。夫婦間での話し合いがうまくいかず、調停という法的手続きを検討する段階で、経済的な負担への不安を抱える方は少なくありません。

離婚調停の費用は、大きく分けて「裁判所に支払う基本費用」と「弁護士に依頼する場合の費用」の2つに分類されます。前者は数千円程度の比較的少額な費用ですが、後者は数十万円にのぼることもあり、この違いを理解しておくことが重要です。

「費用が高いから調停は無理」と最初から諦めてしまう方もいらっしゃいますが、実際には法テラスなどの公的制度を活用することで、経済的負担を大幅に軽減できる場合があります。また、事案の複雑さや争点の数によって費用は大きく変動するため、まずは全体像を把握することが第一歩となります。

本記事では、離婚調停にかかる費用の詳細な内訳から、弁護士費用の相場、そして費用を抑えるための具体的な方法まで、包括的に解説いたします。経済的な不安を解消し、適切な判断ができるよう、実用的な情報をお届けします。

2. 離婚調停の基本費用|裁判所へ支払う費用

離婚調停を申し立てる際に裁判所に支払う基本的な費用は、想像よりもはるかに少額です。これらの費用は法律で定められており、全国どこの家庭裁判所でも基本的に同じ金額となっています。

調停申立手数料の詳細

離婚調停の申立てには、収入印紙による手数料の納付が必要です。離婚調停の場合、申立手数料は1件につき1,200円となっています。これは「夫婦関係調整調停(離婚)」として扱われる基本的な手数料です。

ただし、離婚調停と同時に他の調停も申し立てる場合は、それぞれに手数料が発生します。例えば、婚姻費用分担調停を同時に申し立てる場合は、別途1,200円の収入印紙が必要になります。面会交流調停についても同様に、1,200円の追加費用がかかります。

収入印紙は郵便局や法務局、一部のコンビニエンスストアで購入できますが、調停申立書に貼付する際は消印を押さないよう注意が必要です。裁判所で消印を押すためです。

連絡用郵便切手の費用

調停手続きでは、相手方への書類送達や連絡のために郵便切手の予納が必要です。必要な切手の金額と内訳は家庭裁判所によって若干異なりますが、一般的には1,000円から1,500円程度が相場となっています。

東京家庭裁判所の場合、離婚調停では以下のような内訳となっています:

  • 500円切手:2枚
  • 100円切手:2枚
  • 84円切手:5枚
  • 10円切手:10枚
  • 1円切手:10枚

これらの切手は調停期日の通知や、調停不成立時の通知などに使用されます。調停が成立または不成立で終了した際に余った切手は返還されます。

必要書類の取得費用

離婚調停の申立てには、いくつかの公的書類の添付が必要です。これらの書類取得にも費用がかかります。

戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)は必須書類で、1通につき450円の手数料がかかります。夫婦それぞれの本籍地の市区町村役場で取得する必要があります。遠方の場合は郵送請求も可能ですが、小為替での送金手数料や返信用封筒代なども考慮する必要があります。

住民票の写しが必要な場合は、1通につき300円程度(市区町村により異なる)の費用がかかります。また、未成年の子がいる場合は、子の戸籍謄本も必要になることがあります。

その他、事案によっては不動産登記簿謄本(1通600円)や、所得証明書(1通300円程度)などの書類が必要になる場合もあります。

基本費用の合計

以上をまとめると、離婚調停の基本的な費用は以下のようになります:

  • 調停申立手数料:1,200円
  • 連絡用郵便切手:1,000円~1,500円
  • 戸籍謄本等の書類代:500円~1,500円程度

合計で約3,000円前後が、裁判所関連の基本費用として必要になります。

この金額は、離婚調停にかかる費用全体から見ると非常に少額です。多くの方が想像される「調停は高い」というイメージは、主に弁護士費用によるものであることがわかります。

3. 弁護士に依頼する場合の費用相場

離婚調停において弁護士に依頼する場合の費用は、事務所や事案の複雑さによって大きく異なります。ここでは、一般的な費用構造と相場について詳しく解説します。

弁護士費用の基本構造

弁護士費用は主に以下の4つの要素で構成されています:

1. 相談料 初回相談については無料としている事務所が増えていますが、2回目以降や継続的な相談については30分あたり5,000円程度が一般的です。電話相談の場合は若干安く設定されることもあります。

離婚問題に特化した事務所では、初回1時間無料、メール相談無料などのサービスを提供している場合も多く、複数の事務所で相談してから依頼先を決めることも可能です。

2. 着手金 調停の開始時に支払う費用で、結果に関わらず発生します。離婚調停の着手金は、一般的に20万円から40万円程度が相場となっています。

着手金の金額は以下の要因によって変動します:

  • 争点の数と複雑さ
  • 財産分与の対象となる財産の額
  • 親権争いの有無
  • 事務所の料金体系

シンプルな離婚調停(親権や財産分与の争いが少ない)の場合は20万円程度、複雑な事案では30万円以上になることが一般的です。

3. 成功報酬 調停が成立した場合に支払う費用です。離婚調停の場合、調停成立自体に対する報酬として20万円から30万円程度が一般的です。

ただし、財産分与で獲得した財産の額に応じて追加の成功報酬が発生する場合があります。例えば、獲得した財産の10%から15%程度を成功報酬として設定している事務所もあります。

4. 実費・日当 調停期日への出席、書類作成、資料収集などにかかる実費です:

  • 交通費:実費
  • 資料印刷・コピー代:実費
  • 日当:1回あたり1万円から3万円程度

調停は通常月1回程度のペースで進行し、平均的に3回から6回程度で終了することが多いため、日当だけで3万円から18万円程度かかることになります。

事案別の費用例

シンプルな事案(協議離婚に近い内容)

  • 相談料:無料(初回)
  • 着手金:20万円
  • 成功報酬:20万円
  • 実費・日当:5万円程度
  • 合計:約45万円

一般的な事案(財産分与・親権に争いあり)

  • 相談料:1万円程度
  • 着手金:30万円
  • 成功報酬:25万円
  • 実費・日当:10万円程度
  • 合計:約66万円

複雑な事案(高額財産・激しい親権争い)

  • 相談料:2万円程度
  • 着手金:40万円
  • 成功報酬:30万円+財産分与報酬
  • 実費・日当:15万円程度
  • 合計:80万円以上

弁護士費用の支払い方法

多くの事務所では、着手金については分割払いに応じてくれる場合があります。特に離婚問題では依頼者の経済状況が厳しいことが多いため、月3万円から5万円程度の分割払いを認めている事務所も少なくありません。

成功報酬については、調停成立後に一括で支払うのが一般的ですが、この点についても事務所によっては柔軟に対応してくれる場合があります。

弁護士費用が高額になるケース

以下のような場合は、標準的な費用を上回ることがあります:

1. 財産分与の対象が高額 不動産や株式、退職金など高額な財産が関係する場合、その価額に応じて着手金や成功報酬が増額されることがあります。

2. 調停が長期化 通常3回から6回で終了する調停が、10回以上にわたって継続する場合、日当や実費が増加します。

3. 専門的な調査が必要 相手方の隠し財産の調査や、企業価値の算定など、専門的な調査が必要な場合は別途費用がかかります。

4. 緊急性が高い案件 DV案件で緊急に保護命令の申立てが必要な場合など、緊急対応が必要な案件では追加費用が発生することがあります。

4. 費用を抑える3つの方法

離婚調停の費用負担を軽減するための具体的な方法を3つご紹介します。これらの方法を組み合わせることで、大幅な費用削減が可能です。

① 法テラスを活用する

法テラス(日本司法支援センター)は、経済的に困難な方でも法的サービスを受けられるよう支援する公的機関です。離婚調停においても強力な支援制度を提供しています。

資力要件と利用条件

法テラスの利用には収入と資産の要件があります(2024年4月現在):

収入要件(月額手取り収入)

  • 単身者:18万2,000円以下
  • 2人家族:25万1,000円以下
  • 3人家族:27万2,000円以下
  • 4人家族:29万9,000円以下

資産要件

  • 単身者:180万円以下
  • 2人家族:250万円以下
  • 3人家族:270万円以下
  • 4人家族:300万円以下

法テラスの費用立替制度

法テラスを利用した場合の弁護士費用は以下のようになります:

  • 着手金:約15万円から25万円程度
  • 成功報酬:約10万円から20万円程度
  • 実費:実額

これらの費用は法テラスが一旦立て替え、利用者は月5,000円から1万円程度の分割返済(無利子)を行います。生活保護受給者の場合は返済が免除されることもあります。

法テラス利用の手続き

  1. 地域の法テラス事務所に相談予約
  2. 資力審査書類の提出
  3. 審査通過後、契約弁護士の紹介
  4. 弁護士との面談・委任契約

法テラスの審査には2週間から1ヶ月程度かかることがあるため、早めの相談が重要です。

② 自分で申立てを行う(本人申立て)

弁護士に依頼せず、自分で調停の申立てから参加まで行う方法です。この場合、費用は裁判所に支払う基本費用(約3,000円)のみとなります。

本人申立てが適している場合

  • 争点が比較的単純
  • 相手方も離婚自体には同意している
  • 財産分与の対象が少ない
  • 子どもがいない、または親権について争いがない

本人申立ての準備

申立書の作成には以下の情報が必要です:

  • 当事者双方の基本情報
  • 結婚から別居までの経緯
  • 離婚を求める理由
  • 親権者の指定に関する希望
  • 財産分与に関する希望
  • 慰謝料に関する希望

多くの家庭裁判所では申立書の書式を配布しており、記入例も提供されています。また、家庭裁判所の窓口では書類作成について相談に応じてもらえます。

本人申立ての注意点

本人申立てには以下のようなリスクもあります:

  • 法的知識不足により不利な合意をしてしまう可能性
  • 調停委員との適切なコミュニケーションが取れない可能性
  • 相手方が弁護士を依頼している場合の交渉力の差
  • 書面作成や法的手続きの負担

これらのリスクを軽減するため、重要な争点がある場合は、少なくとも数回の弁護士相談を受けることをお勧めします。

③ 無料相談を活用して比較検討

弁護士費用を抑えるためには、複数の事務所で相談し、費用とサービス内容を比較することが重要です。

無料相談の種類

1. 弁護士事務所の初回無料相談 多くの離婚問題専門事務所では、初回30分から1時間の相談を無料で提供しています。この時間を有効活用して、以下の点を確認しましょう:

  • 費用の詳細な見積もり
  • 事案の見通し
  • 弁護士の専門性と経験
  • 事務所の方針

2. 弁護士会の法律相談 各都道府県の弁護士会では、定期的に無料または低額(5,000円程度)の法律相談を実施しています。予約制となっているため、事前の申し込みが必要です。

3. 自治体の法律相談 市区町村では月数回、弁護士による無料法律相談を実施していることが多く、離婚問題についても相談可能です。

4. 法テラスの法律相談 収入要件を満たす場合、法テラスでは30分間の法律相談を3回まで無料で受けることができます。

効果的な相談の進め方

無料相談を最大限活用するため、以下の準備をお勧めします:

事前準備

  • 結婚から現在までの経緯をまとめる
  • 争点となりそうな事項を整理
  • 財産や収入に関する資料を準備
  • 質問したい事項のリストアップ

複数事務所での比較ポイント

  • 費用の総額と内訳
  • 分割払いの可否
  • 調停成立の見通し
  • 弁護士の経験と専門性
  • 事務所の対応の質

見積もりの取り方 可能な限り書面で見積もりを取得し、追加費用が発生する条件について明確にしておくことが重要です。

費用削減の組み合わせ例

これらの方法を組み合わせることで、さらなる費用削減が可能です:

パターン1:法テラス+複数相談 法テラスの要件を満たす場合でも、まず無料相談で複数の弁護士の意見を聞き、その後法テラスで依頼する弁護士を選択する方法です。

パターン2:一部自分で対応+スポット相談 申立書作成は自分で行い、重要な争点についてのみ弁護士にスポット相談する方法です。時間単位の相談料(1時間1万円程度)で済むため、大幅な費用削減が可能です。

パターン3:調停前半は本人、後半は弁護士 調停の前半は本人で参加し、争点が明確になったり相手方が弁護士を依頼した段階で弁護士に依頼する方法です。途中からの依頼でも、多くの事務所は対応してくれます。

5. よくある質問と誤解の解消

離婚調停の費用について、多くの方が抱く疑問や誤解について、詳しく解説いたします。

Q1:すべて自分でやれば費用はかからない?

A:調停申立ての基本費用(約3,000円)は必要ですが、弁護士費用は不要です。ただし、準備不足による不利益には注意が必要です。

確かに本人申立てを行えば、弁護士費用数十万円を節約できます。しかし、以下のような隠れたコストやリスクがあることを理解しておく必要があります。

時間的コスト

  • 申立書作成:10時間以上
  • 必要書類の収集:半日から1日
  • 調停期日への参加:1回あたり半日から1日
  • 法的知識の習得:相当な時間

機会損失のリスク 法的知識不足により、以下のような不利益を被る可能性があります:

  • 財産分与で適正額を取得できない
  • 慰謝料請求の機会を逸する
  • 年金分割の手続きを見落とす
  • 親権獲得に必要な主張立証ができない

精神的負担 離婚という精神的に困難な状況で、さらに法的手続きの負担が加わることによるストレスも無視できません。

適切な判断基準 本人申立てが適している場合:

  • 離婚自体に争いがない
  • 財産分与の対象が少額
  • 慰謝料請求がない
  • 親権について争いがない
  • 時間的余裕がある

これらの条件を満たさない場合は、少なくとも重要な争点について弁護士相談を受けることをお勧めします。

Q2:弁護士に頼むべき?判断基準は?

A:複雑な争点(財産分与、親権、慰謝料)がある場合、相手方が弁護士を依頼している場合、法的知識に不安がある場合は早めの依頼が得策です。

弁護士依頼の判断基準を具体的に示すと以下のようになります:

弁護士依頼が推奨される場合

1. 財産分与に関する争いがある場合

  • 不動産の評価や分割方法
  • 退職金の財産分与
  • 事業資産の評価
  • 株式などの金融商品
  • 相手方の財産隠しの疑い

2. 親権争いがある場合

  • 双方が親権を希望している
  • 面会交流の条件で争いがある
  • DVや虐待の主張がある
  • 海外への子の連れ去りの懸念

3. 慰謝料に関する争いがある場合

  • 不貞行為の証拠収集
  • DVの立証
  • 精神的苦痛の算定

4. 相手方が弁護士を依頼している場合 交渉力の格差を避けるため、対等な立場での調停進行が重要です。

5. 手続きに不安がある場合

  • 法的文書の作成に自信がない
  • 調停委員とのコミュニケーションに不安
  • 合意内容の法的妥当性の判断ができない

本人対応でも可能な場合

  • 離婚について双方が合意
  • 財産分与の対象が少額で争いがない
  • 子どもがいない、または親権に争いがない
  • 慰謝料請求がない
  • 相手方も弁護士を依頼していない

Q3:調停に失敗した場合、費用は無駄になる?

A:弁護士費用は返金されませんが、調停で作成された記録や収集した証拠は、その後の裁判でも活用できるため、完全に無駄になるわけではありません。

調停不成立となった場合の費用の考え方について詳しく説明します。

返金されない費用

  • 弁護士の着手金:結果に関わらず返金されない
  • 調停申立手数料:裁判所に支払った費用
  • 書類取得費用:既に取得した書類の費用
  • 日当・実費:実際に発生した費用

無駄にならない成果 調停手続きで得られる以下の成果は、その後の手続きで活用できます:

1. 調停記録 調停での主張内容、相手方の発言、調停委員の所見などは調停記録として残り、その後の訴訟で証拠として活用できます。

2. 証拠収集 調停準備段階で収集した証拠(財産資料、不貞の証拠、DVの証拠など)は、訴訟でもそのまま使用できます。

3. 争点の明確化 調停を通じて双方の主張が明確になり、訴訟での論点整理に役立ちます。

4. 相手方の対応パターンの把握 相手方の交渉姿勢や主張の傾向を把握できるため、訴訟戦略の立案に活用できます。

費用対効果の考え方 調停費用を「保険料」として考える視点も重要です。調停で解決できれば訴訟費用(さらに高額)を避けられ、解決までの期間も短縮できます。

Q4:法テラスは誰でも利用できる?

A:収入・資産要件を満たす必要があります。また、利用できる弁護士が限定される場合があります。

法テラス利用の詳細な条件と制限について説明します。

利用条件の詳細

収入要件(申込者および配偶者の手取り月収の合計)

  • 1人世帯:182,000円以下
  • 2人世帯:251,000円以下
  • 3人世帯:272,000円以下
  • 4人世帯:299,000円以下
  • 5人世帯:324,000円以下

家賃・住宅ローンを支払っている場合は、上記基準に一定額(東京・大阪地区は月額53,000円、その他地区は月額41,000円)を加算できます。

資産要件

  • 1人世帯:1,800,000円以下
  • 2人世帯:2,500,000円以下
  • 3人世帯:2,700,000円以下
  • 4人世帯:3,000,000円以下

利用時の制限

1. 弁護士の選択制限 法テラスと契約している弁護士に限定されます。希望する特定の弁護士が法テラス契約弁護士でない場合は利用できません。

2. 報酬基準の適用 法テラスの報酬基準が適用されるため、通常の弁護士費用より安くなる場合が多いですが、成功報酬の設定などに制限があります。

3. 審査期間 申込みから利用開始まで2週間から1ヶ月程度の審査期間が必要です。

4. 立替金の返済義務 原則として月5,000円から10,000円程度の分割返済が必要です(生活保護受給者等は免除の場合あり)。

Q5:調停費用は税務上、経費になる?

A:個人の離婚調停費用は基本的に経費にはなりませんが、事業に関連する場合は例外的に認められることがあります。

個人の場合 離婚調停にかかる弁護士費用や裁判所費用は、個人的な支出とみなされるため、所得税法上の必要経費や医療費控除の対象にはなりません。

事業者の場合 以下のような場合は、事業関連費用として計上できる可能性があります:

  • 事業用財産の分与に関する部分
  • 事業継続に必要な調停手続き
  • 事業パートナーとしての配偶者との関係整理

ただし、按分計算が必要で、個人的部分は経費計上できません。

慰謝料・財産分与の税務処理

  • 慰謝料の支払い:支払側は経費にならず、受取側は非課税
  • 財産分与:原則として非課税だが、高額な場合は贈与税の対象となる可能性

税務処理については、税理士への相談をお勧めします。

6. まとめ|費用を把握して、準備と判断を適切に

離婚調停の費用について、本記事で解説した内容をまとめ、適切な判断をするためのポイントをお伝えします。

費用の全体像

離婚調停にかかる費用は「数千円から数十万円まで」と幅が広く、主に以下の要因によって決まります:

基本費用(必須)

  • 裁判所への支払い:約3,000円
  • これは弁護士依頼の有無に関わらず必要

弁護士費用(選択)

  • シンプルな事案:30万円~50万円
  • 複雑な事案:70万円以上
  • 法テラス利用時:20万円~40万円程度

適切な選択をするための判断基準

1. 事案の複雑さによる判断

  • 争点が少なく、相手方も協力的 → 本人申立ても検討可能
  • 財産分与、親権、慰謝料に争いがある → 弁護士依頼を推奨
  • 相手方が弁護士を依頼している → 対等な交渉のため弁護士依頼が必要

2. 経済状況による判断

  • 法テラスの要件を満たす → 法テラス利用で費用大幅削減
  • 分割払いが必要 → 対応可能な事務所を複数比較
  • 費用捻出が困難 → 本人申立て+スポット相談の組み合わせ

3. 時間的余裕による判断

  • 十分な準備時間がある → 本人申立ても可能
  • 急を要する事案(DV等) → 専門家への早期依頼が必要
  • 仕事との両立が困難 → 弁護士依頼で負担軽減

費用を抑えるための戦略的アプローチ

段階的アプローチの活用

  1. 情報収集段階:無料相談を複数利用
  2. 方針決定段階:スポット相談で専門的アドバイス取得
  3. 手続き実行段階:必要に応じて弁護士依頼

このような段階的アプローチにより、必要最小限の費用で最大の効果を得ることが可能です。

公的制度の積極活用

  • 法テラス:収入要件を満たす場合は積極的に活用
  • 自治体の法律相談:定期的に利用して情報収集
  • 家庭裁判所の窓口相談:手続き面での疑問解消

費用対効果の長期的視点 調停費用を単なる支出として捉えるのではなく、以下の視点で評価することが重要です:

  • 時間短縮効果:訴訟になれば1年以上かかる場合も、調停なら数ヶ月で解決可能
  • 精神的負担軽減:専門家のサポートによるストレス軽減
  • 適正な解決内容:法的知識に基づく適切な合意形成
  • 将来紛争の予防:明確な合意書により後日の紛争を回避

費用不安への対処法

多くの方が抱く「費用が高くて調停に踏み切れない」という不安に対しては、以下のアプローチが有効です:

1. 具体的な見積もりの取得 漠然とした不安ではなく、複数の事務所から具体的な見積もりを取得し、実際の金額を把握することが第一歩です。

2. 分割払いの交渉 多くの事務所では、離婚事件について分割払いに応じてくれます。月々の支払い可能額を明確にして相談しましょう。

3. 一部自己対応の検討 すべてを弁護士に依頼するのではなく、可能な部分は自分で行い、重要な部分のみ専門家に依頼する方法も考えられます。

4. 成果報酬制の活用 一部の事務所では、着手金を抑えて成功報酬を高く設定する料金体系を提供しています。初期費用を抑えたい場合に有効です。

注意すべき費用の落とし穴

費用を抑えることに集中しすぎて、以下のような問題が生じないよう注意が必要です:

1. 過度な費用削減による不利益 弁護士費用を極度に削減しようとして、結果的に財産分与や慰謝料で大きな損失を被ることがあります。

2. 格安事務所の品質問題 極端に安い弁護士費用を謳う事務所の中には、経験不足や対応の質に問題がある場合があります。

3. 追加費用の見落とし 初期の見積もりが安くても、途中で追加費用が発生し、結果的に高額になるケースがあります。

4. 調停不成立時の対応 調停が不成立となった場合の追加費用について、事前に確認しておくことが重要です。

調停費用に関する最終チェックリスト

調停を申し立てる前に、以下の点を確認することをお勧めします:

□ 基本費用の準備

  • 調停申立手数料(1,200円)の収入印紙
  • 連絡用郵便切手(1,000円~1,500円)
  • 必要書類の取得費用(500円~1,500円)

□ 弁護士依頼の検討

  • 事案の複雑さの評価
  • 複数事務所での相談・見積もり取得
  • 費用と期待される成果の比較検討

□ 公的制度の確認

  • 法テラスの利用要件確認
  • 自治体の法律相談の利用可能性
  • その他の支援制度の調査

□ 支払い計画の策定

  • 総費用の見積もり
  • 分割払いの可能性
  • 家計への影響の評価

最後に

離婚調停の費用は確かに家計への負担となりますが、適切な情報収集と準備により、その負担を大幅に軽減することが可能です。重要なのは、費用を理由に適切な法的手続きを躊躇することなく、利用可能な制度や方法を最大限活用することです。

また、調停費用は単なる支出ではなく、新しい人生のスタートのための必要な投資と考えることもできます。適切な解決により、長期的には経済的にも精神的にも大きなメリットを得られる場合が多いのです。

「費用が心配で動けない」という状況を避けるためにも、まずは無料相談を活用して具体的な情報を収集し、自分の状況に最適な選択肢を見つけることから始めてみてください。

経済的な不安を抱えながらも離婚問題に向き合わなければならない状況は確かに困難ですが、適切なサポートを受けることで、必ず解決の道は見つかります。本記事が、そのための第一歩となることを願っています。

佐々木裕介

佐々木 裕介(弁護士・行政書士)

「失敗しない子連れ離婚」をテーマに各種メディア、SNS等で発信している現役弁護士。離婚の相談件数は年間200件超。協議離婚や調停離婚、養育費回収など、離婚に関する総合的な法律サービスを提供するチャイルドサポート法律事務所・行政書士事務所を運営。

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