離婚協議書とは、離婚の際に夫婦で合意した条件(親権・養育費・財産分与など)を書面にした契約書です。2026年4月に施行された改正民法により、要件を満たした離婚協議書があれば、公正証書を作成しなくても養育費(子ども1人あたり月額8万円以下の部分)の強制執行=給与や財産の差押えが可能になりました。「離婚協議書は公正証書にしないと意味がない」という従来の常識は、大きく変わっています。
このページでは、法務大臣認証のADR機関である株式会社チャイルドサポートが、改正民法に対応した離婚協議書の書き方を、条項別の文例つきで解説します。そのまま使える無料テンプレートも用意しました。

佐々木 裕介(弁護士・第二東京弁護士会)
「失敗しない子連れ離婚」をテーマに各種メディア、SNS等で発信している現役弁護士。離婚の相談件数は年間200件超。協議離婚、調停離婚、養育費回収など、離婚に関する総合的な法律サービスを提供するチャイルドサポート法律事務所・行政書士事務所を運営。また、離婚ADRや養育費保証サービスを提供する株式会社チャイルドサポートの創業者・代表取締役。
離婚協議書とは?
離婚協議書の役割と、作成すべき理由
離婚協議書とは、協議離婚の際に夫婦間で取り決めた内容を記載し、双方が署名して取り交わす合意文書(契約書)です。日本では離婚全体の約9割が、裁判所を介さない「協議離婚」によるもの(厚生労働省・人口動態統計)ですが、協議離婚では離婚届を出すだけで成立してしまうため、養育費や財産分与の取り決めが口約束のまま放置されがちです。
その結果が、母子家庭の養育費受給率28.1%(こども家庭庁・令和3年度全国ひとり親世帯等調査)という数字に表れています。**約7割の家庭が、本来子どもが受け取れるはずの養育費を受け取れていません。**口約束は、後から「言った・言わない」の争いになったときに証明する手段がなく、支払いが途絶えても打つ手が限られます。
離婚協議書を作成しておけば、次の3つの効果が得られます。
- 合意内容の証拠になる — 後日争いになっても、裁判で証拠として提出できます
- 心理的な拘束力が生まれる — 書面で約束したことは守られやすくなります
- 【2026年改正】養育費の強制執行が可能になる — 要件を満たせば、不払い時に差押えができます(詳細は次節)

2026年4月施行・改正民法で何が変わったか
2024年に成立した改正民法(令和6年法律第33号)が2026年4月1日に施行され、離婚協議書をめぐるルールは次のように変わりました。
| 項目 | 改正前 | 改正後(2026年4月〜) |
|---|---|---|
| 離婚協議書(私文書)の執行力 | なし。強制執行には公正証書・調停調書等が必要 | 養育費に「先取特権」が付与され、要件を満たした合意文書があれば子1人あたり月額8万円以下の部分は差押え可能 |
| 取り決めなく離婚した場合 | 養育費を請求するには調停申立てが必要 | 「法定養育費」として子1人あたり月額2万円を最低限の権利として請求可能(相手に支払能力がない場合等の例外あり) |
| 親権 | 単独親権のみ | 父母の合意により共同親権も選択可能 |
| 不払い時の財産調査 | 別個の手続が必要で負担大 | 財産開示・情報取得手続の拡充により、相手の財産や勤務先を調査しやすく。執行手続のワンストップ化で申立ての負担も軽減 |
法定養育費は、2026年4月1日以降に離婚した場合に適用されます。先取特権は、施行前に離婚・取り決めをしたケースでも、2026年4月1日以降に支払期限が到来する養育費分については行使できます。
先取特権の対象は法務省令の定める「子の監護に要する費用として相当な額」(子1人あたり月額8万円以下)に限られます。これを超える部分や、財産分与・慰謝料の強制執行には、従来どおり公正証書等の債務名義が必要です。
先取特権を行使するには、養育費の取り決めを証明する文書が必要です。父母双方の署名(電子署名を含む)があり、養育費の金額・支払期間・支払先が特定された合意文書であることが前提となります。詳しくは、法的要件を満たした離婚協議書とは?先取特権で養育費不払い時に給与等を差し押さえる条件【2026年民法改正】で解説しています。当社のテンプレートおよびチャイルドサポートサインは、この要件を踏まえた書式です。
つまり、「夫婦間できちんと作った離婚協議書」の価値が、法改正によって格段に上がったということです。一方で、執行力が認められるのは「要件を満たした文書」に限られるため、正しい書き方を知ることがこれまで以上に重要になっています。
作成のタイミングは「離婚届の提出前」が原則
離婚協議書は離婚後でも作成できますが、**必ず離婚届を提出する前に取り交わしてください。**離婚成立後は、相手にとって協議書を作成するメリットが乏しくなり、「もう離婚は済んだのだから」と話し合い自体に応じてもらえなくなるケースが非常に多いためです。
離婚協議書の無料テンプレート・ひな形(Word/PDF)
当社では、改正民法に対応した離婚協議書のテンプレート(ひな形)を2種類、無料で配布しています。
標準版テンプレート — まずはこれ
養育費・親権という基本項目を押さえたシンプルな構成です。「何から手をつければいいかわからない」という方は、まず標準版で全体像をつかんでください。
詳細完全版テンプレート — 弁護士監修・全30ページ超
養育費(特別費用・段階金額対応)、親権・共同親権、親子交流、財産分与、自宅・住宅ローンの処理、年金分割、清算条項までを網羅した、実務仕様のテンプレートです。
テンプレートはあくまで標準的なケースを想定したものです。自宅の財産分与や住宅ローンが絡むケース、相手が自営業のケースなどでは、文言の調整が必要になります。本ページの条項別解説を読みながら、ご自身の状況に合わせて修正してください。条件の整理には無料の【離婚の問診票】も活用できます。
離婚協議書に書くべき10項目と文例【条項別サンプル】
離婚協議書に「これを書かなければならない」という法律上のルールはありませんが、実務上は次の10項目を押さえれば、離婚後のトラブルの大半を予防できます。文例は、夫を「甲」、妻を「乙」、子を「丙」として記載しています。

① 離婚の合意と離婚届の提出
まず冒頭で、双方が協議離婚に合意したことと、誰がいつまでに離婚届を提出するかを定めます。
甲と乙は、本日、協議離婚すること(以下「本件離婚」という。)に合意し、甲は離婚届に所要事項を記載し署名のうえ乙に交付し、乙が速やかにこれを提出するものとする。
② 親権者・監護者【2026年改正:共同親権が選択可能に】
未成年の子がいる場合、親権者の指定は必須です。2026年4月施行の改正民法により、離婚後も父母双方を親権者とする「共同親権」を選択できるようになりました。「単独親権」「共同親権(監護者の指定なし)」「共同親権(監護者の指定あり)」の3パターンで文例が異なります。
(単独親権) 甲と乙は、甲乙間の子・丙(令和◯年◯月◯日生)の親権者を乙と定め、乙において丙を監護養育する。
(共同親権・監護者の指定なし) 甲と乙は、丙の親権者を甲及び乙と定め、乙において丙を監護養育する。
(共同親権・監護者の指定あり) 甲と乙は、丙の親権者を甲及び乙と定め、丙の監護者を乙と定める。
共同親権を選択する場合、「監護者」を定めるかどうかで権限の所在が大きく変わります。「丙の監護者を乙と定める」と合意した場合、乙は民法上の「子の監護をすべき者(監護者)」となり、法律上の監護権を取得します。改正民法(824条の3)により、監護者は子の監護及び教育、居所の指定・変更などを単独で決定でき、非監護者(甲)はその行為を妨げてはならないとされています。つまり監護者の指定は、非監護者による親権の行使を一部制限する(財産行為や身分行為を除く監護に関する意思決定を、監護者が単独で行える)効果を持ちます。
監護者を定めたうえで「丙の居所の指定、進学その他の重要事項は、甲乙が協議のうえ決定する」といった協議条項を加えてしまうと、本来監護者が単独で決められるはずの居所指定や進学についてまで相手の同意が必要になる、という特約(制限)を自ら課すことになります。引っ越しや進学のたびに元配偶者の同意を要する事態になりかねないため、監護者が単独で決められる状態を維持したい場合、この種の協議条項は入れないでください。
どのパターンを選ぶか、協議条項をどこまで入れるかはご家庭の事情によって最適解が異なります。共同養育計画の策定を含めて、第三者(ADR等)を交えて取り決めることをおすすめします。
③ 養育費【最重要:先取特権の対象となる書き方】
養育費は離婚協議書の中核です。改正民法の先取特権による強制執行を見据え、「金額」「支払期間」「支払期日」「振込先」を明確に特定してください。金額や終期が曖昧な条項(「大学の学費は応分に負担する」等)は、執行の対象になりません。
甲は乙に対し、丙の養育費として、令和◯年◯月から丙が満20歳に達する日の属する月まで、1か月あたり金◯万円を、毎月末日限り、◯◯銀行◯◯支店の乙名義の普通預金口座(口座番号◯◯◯◯)に振り込む方法により支払う。振込手数料は甲の負担とする。
- 養育費の適正額は、裁判所の算定表(夫婦双方の年収・子の人数・年齢)が基準になります。相場の目安は養育費の相場(年収別・子どもの年齢別)、算定表の読み方は養育費算定表の見方・使い方で詳しく解説しています。
- 子どもが15歳になると算定基準が上がるため、「丙が満15歳に達した後は月額◯万円とする」と期間ごとの段階金額を定めておくと、将来の再交渉の負担をなくせます(当社のテンプレート・作成サービスはこの方式に対応しています)。
- 終期は「満20歳」のほか「満18歳に達した後最初の3月31日まで」「大学卒業まで(ただし満22歳に達した日以後最初の3月31日を限度とする)」などの定め方があります。どの終期を選ぶべきかは養育費はいつまで支払う?を参考にしてください。

④ 特別費用(進学・医療など)
毎月の養育費とは別に、入学金・授業料・入院費など臨時の大きな出費をどう分担するかを定めます。
甲と乙は、丙の進学に要する入学金及び授業料、傷病に伴う高額の医療費その他特別の費用を要する場合、その負担について甲乙誠実に協議して定める。
金額を特定できない費目のため、執行力はありませんが、「協議する」と定めておくだけでも話し合いの入口を確保できます。私立進学が既定路線なら「入学金及び授業料は甲乙折半とする」のように踏み込んで定めましょう。
⑤ 親子交流(面会交流)
離れて暮らす親と子どもが会う頻度・方法を定めます。
乙は甲に対し、甲が丙と月◯回程度交流することを認める。交流の具体的な日時、場所及び方法は、丙の福祉に配慮し、甲乙が事前に協議して定める。
細かく決めすぎると子どもの成長や生活の変化に対応できなくなるため、頻度の目安+「子の福祉への配慮」+協議条項という構成が標準です。宿泊の可否、学校行事への参加、オンライン交流なども必要に応じて加えます。
⑥ 財産分与
婚姻中に夫婦で築いた財産(預貯金・保険・車など)の清算方法を定めます。
甲は乙に対し、本件離婚に伴う財産分与として金◯◯万円の支払義務があることを認め、これを令和◯年◯月◯日限り、第3条(養育費)記載の乙名義の普通預金口座に振り込む方法により支払う。
⑦ 自宅・住宅ローン
不動産がある場合は、誰が住むか・名義をどうするか・ローンを誰が払うかを定めます。10項目の中で最も紛争になりやすく、文言の専門性も高い項目です。
甲は、別紙物件目録記載の不動産(以下「本件不動産」という。)に乙及び丙が居住することを認め、◯◯銀行に対する住宅ローン債務を引き続き負担する。甲は、当該ローン完済後、速やかに本件不動産につき財産分与を原因とする所有権移転登記手続を行う。
ローン名義と居住者がねじれるケースでは、金融機関の承諾、ローン滞納時の処理、登記の時期、固定資産税の負担など検討事項が多岐にわたります。詳しくは住宅ローンがある場合の財産分与をご覧ください。この項目が絡む場合は、テンプレートの流用にとどめず専門家への相談を強くおすすめします。
⑧ 慰謝料
不貞行為やDVなど、離婚の原因について損害賠償を合意する場合に定めます。
甲は乙に対し、本件離婚に伴う慰謝料として金◯◯万円の支払義務があることを認め、これを令和◯年◯月◯日限り、第3条(養育費)記載の乙名義の普通預金口座に振り込む方法により支払う。
分割払いとする場合は「期限の利益喪失条項」(支払いを◯回怠ったら残額を一括請求できる)を必ずセットで入れます。慰謝料の取り決めがない場合は、後述の清算条項でまとめて精算します。
⑨ 年金分割
婚姻期間中の厚生年金記録を分割する制度です。按分割合(通常0.5)を定めます。
甲と乙は、別紙年金分割のための情報通知書記載の情報に係る年金分割についての請求すべき按分割合を、0.5と定める。
合意分割の手続きは原則として2人そろって年金事務所へ行く必要がありますが、公正証書(または公証役場で認証を受けた私署証書)があれば1人で手続きできます。請求期限は離婚(の翌日)から5年です(2026年4月1日の民法改正に合わせて厚生年金保険法等も改正され、2年から5年に延長されました。※2026年3月31日以前に離婚が成立している場合は2年)。手続きの種類や必要書類は年金分割ガイドで解説しています。
⑩ 清算条項・通知義務
最後に、「この協議書に書いたこと以外は互いに請求しない」という清算条項と、連絡先変更時の通知義務を定めます。
甲と乙は、本件離婚に関し、本協議書に定めるほか、互いに財産分与、慰謝料等名目のいかんを問わず、金銭その他一切の請求をしないことを相互に確認する。
甲及び乙は、住所、連絡先又は勤務先を変更したときは、速やかに相手方に通知する。
清算条項は「蒸し返し」を防ぐ強力な条項ですが、書き漏らした権利も放棄したことになる諸刃の剣です。財産分与・慰謝料・年金分割を取り決めてから入れてください。なお、養育費は子どもの権利のため、清算条項があっても将来の事情変更による増額請求の余地は残ります。
10項目すべてを反映した詳細完全版テンプレート(30ページ超の弁護士監修)を無料配布中
離婚協議書の書き方・作り方 5ステップ
離婚協議書は夫婦の合意があって初めて成立する契約書です。一方が勝手に作成して署名を迫っても、後から無効を主張されるリスクがあります。まず「決めるべき項目」(前章の10項目)をリストにして、1つずつ話し合いましょう。
話し合いが難しい場合でも、すぐに調停(裁判所)に進む必要はありません。法務大臣認証のADR機関を利用すれば、中立の専門家を間に挟んで、最短2週間程度で合意を目指せます。
話し合った内容を整理し、抜け漏れがないかを確認します。当社の無料ツール【離婚の問診票】を使えば、ご自身の状況を入力するだけで、財産分与・年金分割まで含めた取り決め項目の全体像と、養育費の適正額を確認できます。

無料テンプレートに、合意した内容を当てはめていきます。手書きでも法的効力は変わりませんが、修正のしやすさ・読みやすさからパソコンでの作成をおすすめします。
下書きができたら、次の点を確認してください。
- 金額・期日・口座が特定されているか(曖昧な金銭条項は執行できません)
- 自分が守れない約束をしていないか
- 双方で解釈が分かれる文言がないか
- 清算条項を入れる場合、取り決めるべき権利をすべて書き切ったか
不安があれば、署名前に専門家のチェックを受けましょう。署名後の修正には、再び相手の合意が必要になります。
完成したら、2通作成して双方が署名・押印し、1通ずつ保管します。押印は認印でも有効ですが、実印+印鑑登録証明書を添えるとより確実です。
2026年現在は、電子署名による締結も有力な選択肢です。当社の「チャイルドサポートサイン」なら、スマホ上で養育費の合意内容を入力して協議書を自動生成し、電子署名(GMOサイン)で正式締結まで完了できます。改正民法の先取特権の要件を踏まえた書式のため、不払い時の強制執行や養育費保証への加入にも対応します。
離婚協議書の効力と公正証書との違い — 無効になるケースに注意
離婚協議書に認められる効力
双方が署名した離婚協議書は契約書として有効であり、当事者はその内容に拘束されます。相手が約束を守らない場合は、協議書を証拠として履行を請求でき、裁判でも有力な証拠になります。さらに2026年4月以降は、前述のとおり養育費(子1人あたり月額8万円以下の部分)について、先取特権に基づく差押えが可能です。
改正後も残る「限界」
| 取り決め内容 | 離婚協議書(私文書)の執行力 |
|---|---|
| 養育費(子1人あたり月8万円以下) | あり(2026年4月〜・先取特権) |
| 養育費(月8万円を超える部分) | なし → 公正証書・調停調書等が必要 |
| 財産分与・慰謝料 | なし → 公正証書・調停調書等が必要 |
| 親子交流・通知義務など非金銭条項 | なし(公正証書でも執行不可。調停等が必要) |
高額の財産分与や慰謝料の分割払いがある場合は、離婚協議書を公正証書にしておくのが安全です。公正証書で何がどこまで執行できるかは公正証書の効力と公正証書による強制執行をご覧ください。
無効・効力なしとなる主なケース
- 強迫・偽造によるもの — 無理やり署名させた協議書は取消し・無効の対象です
- 法律に反する内容 — 公序良俗に反する条項は無効です
- 養育費の放棄条項 — 養育費は子ども自身の権利のため、「養育費を一切請求しない」という合意があっても、子の扶養請求権までは奪えず、後から請求される可能性があります
- 身分に関する合意 — 「再婚しない」などの合意に法的拘束力はありません
なお、公正証書にも無効になるケースがあります。詳しくは公正証書が無効になる5つのケースを参照してください。
離婚協議書に「強制力」を持たせる4つの方法【比較表】
ここまで見たとおり、離婚協議書は作り方次第で効力が大きく変わります。確実性・費用・スピードのバランスで、自分に合った方法を選んでください。

B(公正証書)の具体的な手順と費用は、公正証書の作り方・公正証書の費用で詳しく解説しています。
多くの自治体では公正証書やADRの費用補助制度があります。「お住まいの自治体名+養育費」で検索するか、当社までお問い合わせください。

養育費の適正額をその場で確認する
離婚協議書に書く養育費の金額に迷ったら、まず裁判所基準の目安を確認しましょう。夫婦双方の年収と子どもの人数・年齢を入力するだけで、調停になった場合に認められやすい水準がわかります。

シミュレーション結果はあくまで標準的なケースの目安です。私立学校の学費や住宅ローン負担がある場合は加算・減算の調整が必要になるため、金額に納得感を持てないときは無料相談をご利用ください。
離婚協議書に関するよくある質問
- 離婚協議書は自分たちだけで作っても有効ですか?
-
有効です。夫婦双方が内容に合意し署名すれば、専門家が関与しなくても契約書として成立します。ただし、執行力を持たせたい場合は「要件を満たした書式」(先取特権対応)か公正証書にする必要があるため、本ページのテンプレートや作成サービスの利用をおすすめします。
- 手書きでも大丈夫ですか?
-
手書きでも法的効力は変わりません。ただし、消せるボールペンや鉛筆は改ざんリスクがあるため不可です。読みやすさと修正のしやすさから、パソコン作成または電子締結をおすすめします。
- 離婚した後からでも作成できますか?
-
作成できます。ただし、離婚成立後は相手が話し合いに応じないリスクが高くなるため、必ず離婚届の提出前に取り交わすことをおすすめします。なお、財産分与・年金分割の請求期限はいずれも離婚から5年です(2026年4月1日以降に離婚した場合。同年3月31日以前の離婚はいずれも2年)。
- 離婚協議書は、公正証書とはどう違うのですか?
-
離婚協議書は夫婦間で作る私文書、公正証書は公証人が作成する公文書です。改正民法の施行(2026年4月)までは、私文書のままでは強制執行できず、公正証書(強制執行認諾文言付き)や調停調書などの債務名義が必要でした。現在は要件を満たした離婚協議書でも養育費(子1人月8万円以下)に限り強制執行が可能です。財産分与や慰謝料まで執行力を持たせたい場合は、引き続き公正証書が必要です。
- 離婚協議書の作成に証人や立会人は必要ですか?
-
不要です。夫婦2人の署名・押印で成立します。ただし、養育費の支払いについて相手の親などに保証人になってもらう場合は、その保証人にも当事者として署名してもらう必要があります。
- 離婚協議書の作成費用はどのくらいかかりますか?
-
自分で作成すれば無料です。電子署名での締結は2,900円(チャイルドサポートサイン)、行政書士による作成支援は34,800円+公証役場手数料、ADRの利用は59,800円が目安です。自治体の補助制度を使える場合があります。
- 法定養育費(月2万円)があるなら、協議書は不要では?
-
法定養育費は「取り決めをせずに離婚した場合」の最低保障にすぎません。子1人あたり月額2万円は、裁判所基準の養育費と比べて大幅に低い水準です。例えば年収500万円の会社員の場合、子1人(0〜14歳)の裁判所基準は月4〜6万円程度です。子どもが本来受け取れる金額を確保するためには、離婚協議書による取り決めが不可欠です。
まとめ:離婚協議書は「正しく作れば」子どもを守る最強の書面に
- 離婚協議書は、協議離婚の合意内容を証拠化する契約書。離婚届の提出前に作成する
- 2026年4月の民法改正により、要件を満たした離婚協議書は養育費(子1人月8万円以下)の強制執行が可能に。私文書の価値が大きく向上した
- 書くべきは10項目。特に養育費は「金額・期間・期日・口座」の特定が必須
- 財産分与・慰謝料まで執行力を持たせるなら公正証書、話し合いが難しいならADRを検討
株式会社チャイルドサポートは、法務大臣認証のADR機関として、電子署名による協議書作成(2,900円)から、行政書士による公正証書支援、ADRによる調停まで、あなたの状況に合わせた選択肢を用意しています。まずは無料テンプレートと養育費シミュレーションからはじめてください。

佐々木 裕介(弁護士・第二東京弁護士会)
「失敗しない子連れ離婚」をテーマに各種メディア、SNS等で発信している現役弁護士。離婚の相談件数は年間200件超。協議離婚、調停離婚、養育費回収など、離婚に関する総合的な法律サービスを提供するチャイルドサポート法律事務所・行政書士事務所を運営。また、離婚ADRや養育費保証サービスを提供する株式会社チャイルドサポートの創業者・代表取締役。
