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  4. 【公正証書は何日でできる?】作成にかかる期間とスムーズに進めるコツ

【公正証書は何日でできる?】作成にかかる期間とスムーズに進めるコツ

2025 7/18
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2025年7月18日
目次
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1. はじめに|「公正証書はどれくらいで完成する?」という不安に答えます

離婚協議書、養育費の取り決め、金銭貸借契約など、人生の重要な局面で公正証書の作成が必要になることがあります。しかし、多くの方が「公正証書ってどれくらいの期間で完成するの?」「急いで作りたいけど間に合うかな?」という疑問を抱えています。

特に離婚手続きを急いでいる方や、養育費の支払いを早く確実にしたい方にとって、公正証書の作成期間は切実な問題です。仕事の都合や子どもの学校の関係で、決められた期限までに手続きを完了させたいというケースも少なくありません。

実際のところ、公正証書の作成期間は一律ではありません。「準備」と「作成」のそれぞれの段階で必要な時間が異なり、案件の内容や当事者の準備状況によって大きく変わります。最短で3日程度で完成する場合もあれば、複雑な内容の場合は1ヶ月以上かかることもあります。

本記事では、公正証書作成の全体的な流れを3つのフェーズに分けて詳しく解説し、ケース別の期間目安、スムーズに進めるためのコツ、そして遅れる原因とその対策まで、実践的な情報をお伝えします。これを読めば、あなたの状況に応じた適切なスケジュール設定ができるようになるでしょう。

2. 公正証書作成の全体スケジュール概要

公正証書の作成は、大きく3つのフェーズに分かれます。それぞれの段階で必要な時間と作業内容を正確に把握することが、適切なスケジュール設定の第一歩となります。

【準備期間】必要書類の取得、文案の整理

最初のフェーズは準備期間です。この段階では、公正証書作成に必要な書類を収集し、合意内容を明確な文章にまとめる作業を行います。

必要書類には、戸籍謄本、住民票、印鑑証明書などの基本的な書類のほか、案件によっては不動産登記簿謄本、預金通帳のコピー、給与明細書なども含まれます。これらの書類を市役所や法務局で取得するには、平日の昼間に足を運ぶ必要があり、働いている方にとっては時間的な制約があります。

また、合意内容を文案として整理する作業も重要です。離婚協議書であれば、養育費の金額、支払方法、面会交流の詳細、財産分与の内容などを具体的に文章化する必要があります。この作業は、当事者だけで行うこともできますが、法的に適切な表現にするために弁護士や行政書士に依頼することも多くあります。

【打ち合わせ期間】公証人との相談と文案調整

第二のフェーズは、公証人との打ち合わせ期間です。準備した文案を公証役場に送付し、公証人がその内容を法的な観点からチェックします。

公証人は、文案が法的に問題ないか、表現が曖昧でないか、実行可能な内容かなどを詳細に検討します。問題がある場合は修正の指示が出され、当事者は再度文案を調整して提出します。この修正作業は、内容の複雑さによって1回で済む場合もあれば、複数回のやり取りが必要な場合もあります。

特に初めて公正証書を作成する方の場合、法律用語の使い方や契約条項の記載方法について、公証人から詳しい指導を受けることが多く、この段階で時間を要することがあります。

【作成・署名日】公証役場での正式作成・署名押印

最終フェーズは、実際に公証役場で公正証書を作成し、署名押印を行う段階です。事前に決められた日時に、当事者全員が公証役場に出向きます。

当日は、公証人が作成した公正証書の内容を読み上げ、当事者が内容を確認した後、署名押印を行います。この作業自体は通常30分から1時間程度で完了しますが、複数の当事者のスケジュール調整や、遠方から来る必要がある場合の交通手段の確保など、事前準備が重要になります。

全体の期間目安

これら3つのフェーズを合わせた全体の期間は、案件の内容や準備状況によって大きく異なります。最短では3日程度で完成する場合もありますが、一般的には1週間から2週間程度を見込んでおくのが現実的です。

複雑な内容の場合、例えば多額の財産分与を伴う離婚や、複数の債務者がいる金銭貸借契約などでは、1ヶ月以上かかることも珍しくありません。特に、当事者間での合意が完全に固まっていない場合や、必要書類の取得に時間がかかる場合は、さらに長期化する可能性があります。

3. ケース別|公正証書作成にかかる期間の目安

公正証書作成の期間は、その内容や複雑さによって大きく異なります。ここでは、代表的なケースごとに期間の目安を詳しく解説します。

養育費のみの場合(約3〜7日)

養育費のみを取り決める公正証書は、比較的シンプルな内容となるため、短期間で完成することが多いケースです。

必要な情報は、支払う親と受け取る親の基本情報、子どもの情報、養育費の金額、支払方法、支払期間などに限定されます。財産分与や面会交流の詳細な取り決めがない場合、文案の作成も比較的簡単です。

ただし、養育費の金額について家庭裁判所の算定表を参考にする場合でも、双方の収入状況や子どもの特別な事情(私立学校の学費、医療費など)を考慮する必要があります。これらの情報が整理されていれば、公証人との打ち合わせもスムーズに進みます。

実際の期間としては、書類準備に1〜2日、公証人との打ち合わせに2〜3日、署名日の設定を含めて約3〜7日での完成が可能です。緊急性が高い場合は、公証役場に相談することで、より短期間での対応も期待できます。

離婚・財産分与ありの場合(1〜2週間)

離婚協議書に財産分与の内容を含める場合、期間は1〜2週間程度を見込む必要があります。

財産分与では、不動産、預貯金、株式、保険、退職金、借金などの財産を詳細に調査し、分与方法を決定する必要があります。不動産がある場合は登記簿謄本の取得、預貯金は残高証明書、株式は評価証明書など、多くの書類が必要になります。

特に時間がかかるのは、財産の評価です。不動産については、固定資産税評価額を基準とするか、不動産鑑定士による評価を行うかによって、手続きの期間が変わります。また、夫婦の共有財産と個人財産の区別、結婚前の財産の扱いなども慎重に検討する必要があります。

公証人との打ち合わせでは、財産分与の方法が法的に適切かどうか、税務上の問題がないかなどについて詳しく確認されます。複雑な財産構成の場合、複数回の修正が必要になることもあります。

金銭貸借のみの場合(約5日)

金銭貸借のみを対象とする公正証書は、比較的短期間で完成します。

必要な情報は、貸し手と借り手の基本情報、借入金額、利息、返済方法、返済期限、遅延損害金などです。これらの内容が明確に決まっていれば、文案の作成も公証人との調整も比較的スムーズに進みます。

ただし、利息制限法や出資法の範囲内での利息設定、返済方法の具体的な記載、強制執行に関する条項の追加などについて、公証人からアドバイスを受けることがあります。これらの法的な調整を含めても、通常5日程度での完成が可能です。

連帯保証人を設定する場合は、保証人の同意書や印鑑証明書なども必要になり、若干期間が延びる可能性があります。

遺言公正証書の場合(2週間以上)

遺言公正証書は、最も時間を要するケースの一つです。2週間以上の期間を見込んでおく必要があります。

遺言では、遺言者の全財産を詳細に調査し、相続人や受遺者を正確に特定する必要があります。戸籍謄本により家族関係を確認し、不動産登記簿謄本、預金通帳、株式の状況、保険契約などの財産一覧を作成します。

特に複雑なのは、相続人の遺留分を考慮した遺言内容の設定です。法定相続分と異なる内容の遺言を作成する場合、将来の相続争いを避けるために、遺留分侵害額請求権への対応を含めた慎重な検討が必要になります。

公証人との打ち合わせでは、遺言の有効性、実現可能性、相続税への影響などについて詳しく確認されます。また、遺言執行者の選任や、遺言の内容変更の可能性についても話し合われます。

証人2名の手配も必要で、適切な証人を見つけるための時間も考慮する必要があります。

4. 各フェーズの詳細と所要時間

公正証書作成の各フェーズについて、より詳細に解説し、実際に必要な時間と作業内容を明確にしていきます。

フェーズ1|準備(1〜7日)

準備フェーズは、公正証書作成の基盤となる重要な段階です。この段階での準備の質が、後の工程の進行速度に大きく影響します。

必要書類の取得

公正証書作成に必要な書類は、案件の内容によって異なりますが、基本的には以下の書類が必要になります。

基本書類(すべての案件で必要):

  • 戸籍謄本(3ヶ月以内)
  • 住民票(3ヶ月以内)
  • 印鑑証明書(3ヶ月以内)
  • 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)

案件別の追加書類:

  • 離婚の場合:子どもの戸籍謄本、給与明細書、源泉徴収票
  • 財産分与の場合:不動産登記簿謄本、固定資産評価証明書、預金通帳のコピー、株式の残高証明書
  • 金銭貸借の場合:収入証明書、連帯保証人の印鑑証明書
  • 遺言の場合:全財産に関する書類、相続人全員の戸籍謄本

これらの書類の取得には、平日の昼間に市役所や法務局に足を運ぶ必要があります。コンビニエンスストアでの証明書取得サービスを利用できる場合もありますが、戸籍謄本や登記簿謄本は直接窓口での取得が必要です。

遠方に住んでいる場合や、本籍地が現住所と異なる場合は、郵送請求も可能ですが、往復の郵送時間を考慮して、早めに手続きを開始することが重要です。

文案の作成

公正証書の文案作成は、法的な正確性と実行可能性を確保するために、慎重に行う必要があります。

自分で作成する場合: インターネット上のサンプル文面を参考にしながら、自分の状況に合わせて文案を作成することができます。ただし、法律用語の使い方や条項の記載順序、強制執行に関する条項の追加などについて、十分な知識が必要です。

専門家に依頼する場合: 弁護士や行政書士に文案作成を依頼することで、法的に適切で実行可能な文案を作成できます。専門家への依頼費用は案件の内容によって異なりますが、後のトラブルを避けるためには有効な投資と考えられます。

文案作成にかかる時間は、内容の複雑さと作成者の経験によって大きく異なります。シンプルな養育費の取り決めであれば数時間で完成しますが、複雑な財産分与を含む離婚協議書の場合は、数日から1週間程度かかることもあります。

フェーズ2|公証役場との打ち合わせ(2〜5日)

公証役場との打ち合わせは、公正証書の内容を法的に適切なものにするための重要な段階です。

初回の文案送付と予約

準備した文案と必要書類を公証役場に送付し、公証人による内容確認を依頼します。多くの公証役場では、メールでの文案送付を受け付けており、FAXや郵送も可能です。

公証役場では、受け取った文案を公証人が詳細に確認し、法的な問題がないか、表現が曖昧でないか、実行可能な内容かなどをチェックします。この初回確認には、通常1〜2日程度の時間がかかります。

修正と調整

公証人から修正指示があった場合、当事者は指摘された箇所を修正して再度提出します。修正内容によっては、複数回のやり取りが必要になることもあります。

よくある修正点:

  • 金額や期日の表記方法の統一
  • 強制執行に関する条項の追加
  • 法律用語の正確な使用
  • 曖昧な表現の具体化
  • 実行不可能な条項の削除や修正

修正作業は、内容の複雑さと修正箇所の多さによって、1日から3日程度の時間がかかります。

署名日の決定

文案が確定した後、実際に公証役場で署名押印を行う日時を決定します。当事者全員のスケジュール調整が必要で、公証役場の予約状況も考慮する必要があります。

平日の昼間が基本ですが、一部の公証役場では土曜日や夜間の対応も行っています。ただし、特別な時間帯の利用には追加費用がかかる場合があります。

フェーズ3|作成・署名日(当日)

最終フェーズは、実際に公証役場で公正証書を作成し、署名押印を行う段階です。

当日の流れ

到着と受付(5分): 予約時間の少し前に公証役場に到着し、受付で氏名を告げます。本人確認書類の提示が求められます。

内容確認(10〜15分): 公証人が作成した公正証書の内容を読み上げ、当事者が内容を確認します。この段階で内容に疑問がある場合は、修正について相談できます。

署名押印(10〜15分): 内容に問題がなければ、当事者全員が署名押印を行います。印鑑は印鑑証明書と同じものを使用し、署名は本人が直筆で行います。

完成・交付(5分): 公正証書が完成し、原本は公証役場に保管され、正本と謄本が当事者に交付されます。

複数当事者の場合の注意点

離婚協議書や金銭貸借契約など、複数の当事者が関わる場合は、全員が同時に公証役場に出向く必要があります。遠方から来る当事者がいる場合は、交通手段の確保と十分な時間の余裕を持った日程設定が重要です。

体調不良や急用で当日欠席する当事者がいる場合は、代理人による手続きも可能ですが、事前に委任状の準備が必要になります。

5. 急ぎたい場合のポイント

公正証書の作成を急ぐ必要がある場合、いくつかの効果的な方法があります。これらのポイントを押さえることで、大幅な期間短縮が可能になります。

事前準備の徹底

急ぎの場合最も重要なのは、事前準備を徹底することです。公証役場に初回相談をする前に、以下の準備を完了させておきましょう。

文案の事前作成: 公証役場に相談する前に、できるだけ詳細な文案を作成しておきます。インターネット上のサンプルを参考にしながら、自分の状況に合わせた具体的な内容を記載します。不完全でも構わないので、公証人が修正しやすい形にしておくことが重要です。

必要書類の事前取得: 戸籍謄本、住民票、印鑑証明書などの基本書類は、公証役場に相談する前に取得しておきます。有効期限が3ヶ月以内と限られているため、あまり早く取得しすぎないよう注意が必要ですが、相談予定日の1週間前程度に取得しておくと良いでしょう。

書類リストの作成: 案件に必要な書類をリストアップし、取得状況を管理表で確認できるようにしておきます。これにより、公証人との打ち合わせで書類不足によるやり直しを防ぐことができます。

公証役場との効果的なやり取り

初回連絡で詳細情報を提供: 公証役場に初回連絡をする際は、単に「公正証書を作りたい」というだけでなく、具体的な内容と急ぎの理由を明確に伝えます。「離婚協議書で養育費月5万円、財産分与なし、来週中に完成希望」というように、できるだけ詳細な情報を提供します。

メール活用による時間短縮: 電話での打ち合わせよりも、メールでの情報共有を積極的に活用します。文案や書類をメールで送付し、修正指示もメールで受け取ることで、お互いの時間を有効活用できます。

修正対応の迅速化: 公証人から修正指示があった場合は、可能な限り当日中に対応します。修正内容が複雑な場合は、部分的に修正したものを先に送付し、残りの修正作業を並行して進めることで、全体の期間を短縮できます。

最適な時間帯とタイミング

平日午前中の活用: 公証役場は平日の午前中が比較的空いており、公証人との打ち合わせや署名の予約も取りやすい傾向があります。特に火曜日から木曜日の午前中は、他の業務との兼ね合いで時間を確保しやすいことが多いです。

繁忙期の回避: 3月(年度末)、9月(上半期末)、12月(年末)は、企業の契約手続きや個人の税務関連手続きが集中し、公証役場も混雑します。これらの時期を避けることで、よりスムーズな手続きが可能になります。

月末月初の回避: 月末月初は、様々な契約の締結や更新が集中するため、公証役場も予約が取りにくくなります。月の中旬頃を狙うことで、比較的スムーズな予約が可能です。

特別対応の活用

出張サービスの利用: 一部の公証役場では、出張による公正証書作成サービスを提供しています。当事者が公証役場に出向くことが困難な場合や、急ぎの場合に活用できます。ただし、出張費用と事前の調整時間が必要になります。

夜間・土曜日対応: 限られた公証役場では、夜間や土曜日の対応も行っています。平日の昼間に時間を取ることが困難な場合は、これらの特別対応を活用することで、期間短縮が可能になります。

電話相談の活用: 文案の修正や内容確認については、公証役場の電話相談を活用することで、時間を短縮できます。複雑な修正でない限り、電話での指示で対応可能な場合が多くあります。

専門家との連携

弁護士・行政書士の活用: 急ぎの場合は、弁護士や行政書士と連携することで、大幅な時間短縮が可能になります。専門家は公正証書作成の経験が豊富で、適切な文案作成と効率的な手続き進行ができます。

専門家による代理手続き: 一部の手続きについては、専門家による代理対応が可能です。書類の取得、文案の作成、公証役場との打ち合わせなどを専門家に任せることで、自分の時間を有効活用できます。

専門家の公証役場とのネットワーク: 経験豊富な専門家は、各公証役場の特徴や手続きの癖を理解しており、最適な公証役場の選択と効率的な手続き進行が可能です。

6. 遅れるケースとその原因

公正証書の作成が予定より遅れてしまうケースには、典型的なパターンがあります。これらの原因を事前に理解し、対策を講じることで、スムーズな手続きが可能になります。

書類不備による遅れ

印鑑証明書の期限切れ: 公正証書作成では、3ヶ月以内の印鑑証明書が必要です。準備段階で取得した印鑑証明書が、実際の署名日までに期限切れになってしまうケースがあります。特に、複雑な内容で手続きが長期化する場合は、印鑑証明書の有効期限を定期的に確認し、必要に応じて再取得する必要があります。

戸籍謄本の記載内容の問題: 離婚の場合、戸籍謄本に離婚の記載がされていない状態で手続きを進めようとすると、公正証書の作成ができません。協議離婚の場合は、離婚届の提出後に戸籍謄本に反映されるまで1週間程度かかることがあります。

住所変更の未反映: 引っ越しをした後、住民票の住所変更手続きを行っていない場合、本人確認書類と住民票の住所が一致せず、手続きが停止することがあります。特に、離婚に伴う住所変更の場合は、複数の手続きが重なるため、順序を間違えると書類の整合性が取れなくなります。

必要書類の認識不足: 案件の内容によって必要な書類が異なるため、公証役場からの指示を正確に理解していない場合、署名日に必要書類が揃わず、手続きが延期になることがあります。不動産がある場合の登記簿謄本、株式がある場合の残高証明書など、一般的でない書類の取得には時間がかかります。

文案の複雑さによる遅れ

法律用語の不正確な使用: 自分で文案を作成する場合、法律用語の使い方が不正確で、公証人から複数回の修正指示を受けることがあります。「支払う」と「給付する」、「所有権を移転する」と「譲渡する」など、似た意味でも法的な効果が異なる用語があります。

条項の矛盾や不整合: 複数の条項間で内容が矛盾している場合、全体の整合性を取るために大幅な修正が必要になります。例えば、養育費の支払期間と子どもの年齢の関係、財産分与の時期と登記手続きの順序などで矛盾が生じやすいです。

実行不可能な条項: 現実的に実行困難な条項が含まれている場合、実行可能な内容に修正する必要があります。例えば、支払能力を超えた養育費の金額、法的に移転できない財産の分与、期限内に完了できない手続きなどです。

あいまいな表現: 「適切に」「速やかに」「十分に」などのあいまいな表現は、後のトラブルの原因となるため、具体的な表現に修正が必要です。金額、期日、方法などは、可能な限り数値や具体的な手順で記載する必要があります。

当事者間の調整による遅れ

スケジュール調整の困難: 複数の当事者が関わる場合、全員が同時に公証役場に出向ける日時を調整することが困難な場合があります。特に、遠方に住んでいる当事者がいる場合や、仕事の都合で平日の昼間に時間を取れない場合は、日程調整が長期化することがあります。

合意内容の変更: 公正証書作成の途中で、当事者間の合意内容が変更になる場合があります。離婚協議書の場合、養育費の金額や面会交流の条件について再協議が必要になったり、財産分与の方法について新たな提案が出されたりすることがあります。このような変更は、既に作成した文案を大幅に修正する必要があり、公証人との打ち合わせも最初からやり直しになる場合があります。

第三者の同意が必要な場合: 連帯保証人や相続人など、第三者の同意や署名が必要な場合、その人のスケジュール調整や説明に時間がかかることがあります。特に、遠方に住んでいる親族や、高齢者の場合は、手続きの理解と同意を得るために複数回の面談が必要になることもあります。

感情的な対立: 離婚協議書や相続関連の公正証書では、当事者間の感情的な対立が手続きの進行を妨げることがあります。直接的な話し合いが困難になった場合は、弁護士などの専門家を通じた調整が必要になり、期間が長期化します。

公証役場の繁忙期による遅れ

年度末・上半期末の混雑: 3月と9月は、企業の決算期に合わせて契約関連の手続きが集中し、公証役場も非常に混雑します。この時期は、予約が取りにくく、公証人との打ち合わせも通常より時間がかかることがあります。

年末年始の影響: 12月後半から1月前半にかけては、年末年始の休業期間により、実質的な営業日が少なくなります。また、年内に手続きを完了させたい人が多く、12月は特に予約が困難になります。

大型連休の影響: ゴールデンウィーク、お盆、シルバーウィークなどの大型連休の前後は、休業日の影響で手続きが遅れることがあります。連休前に完了させたい人が多く、予約が集中します。

税務関連手続きの時期: 確定申告の時期(2月〜3月)や、相続税の申告期限前(相続開始から10ヶ月以内)は、税務関連の公正証書作成が増加し、公証役場が混雑します。

特殊な事情による遅れ

海外居住者の手続き: 当事者の一方が海外に居住している場合、領事館での認証手続きや、印鑑証明書に代わる署名証明書の取得が必要になり、通常より長期間を要します。

法人が関わる場合: 法人が当事者となる場合、商業登記簿謄本、印鑑証明書、代表者の身分証明書などの法人関係書類が必要になり、準備に時間がかかります。また、法人の意思決定手続き(取締役会決議など)も必要になる場合があります。

複雑な相続関係: 相続関係が複雑な場合、相続人の確定、相続財産の調査、遺産分割協議などに長期間を要することがあります。特に、相続人が多数いる場合や、海外居住の相続人がいる場合は、さらに時間がかかります。

公序良俗違反の疑い: 公正証書の内容が公序良俗に反する可能性がある場合、公証人による慎重な検討が必要になり、通常より長期間を要することがあります。

7. 公正証書作成の期間に関するよくある質問

公正証書作成の期間について、多くの方が共通して抱く疑問にお答えします。

Q:急ぎで作りたいときは即日作成できますか?

A:基本的には即日作成は不可能です。公正証書作成には、最低限以下の手続きが必要だからです。

まず、公証人による文案の事前確認が必要です。公証人は、提出された文案が法的に適切かどうか、実行可能な内容かどうかを詳細に検討する必要があります。この確認作業には、どんなに簡単な内容でも数時間から1日程度の時間がかかります。

また、必要書類の準備も重要です。印鑑証明書、戸籍謄本、住民票などの基本書類は、市役所や区役所で取得する必要があり、コンビニでの取得サービスを利用しても、ある程度の時間がかかります。

公証役場の予約状況も考慮する必要があります。当日の飛び込みでの対応は、緊急事態を除いて通常は受け付けていません。

ただし、以下の条件が揃えば、最短2〜3日での完成は可能です:

  • 事前に完成度の高い文案を準備している
  • 必要書類がすべて揃っている
  • 公証役場の予約に空きがある
  • 内容が比較的簡単(養育費のみの取り決めなど)

緊急性が高い場合は、公証役場に事情を説明し、特別な配慮を依頼することも可能です。ただし、法的な手続きであることを考慮し、最短でも2〜3日の期間は確保することをお勧めします。

Q:打ち合わせをオンラインでできますか?

A:事前のやり取りはメールやFAXで可能ですが、署名押印は必ず対面で行う必要があります。

オンラインで可能な手続き:

  • 初回相談の申し込み
  • 文案の送付と確認
  • 公証人からの修正指示の受け取り
  • 日程調整
  • 手続きの進行状況の確認

多くの公証役場では、メールでの文案送付を受け付けており、公証人からの修正指示もメールで受け取ることができます。これにより、公証役場に足を運ぶ回数を最小限に抑えることができます。

対面が必要な手続き:

  • 最終的な内容確認
  • 署名押印
  • 本人確認

公正証書の署名押印は、法的に厳格な手続きであり、本人確認と意思確認を確実に行う必要があるため、必ず対面で行われます。代理人による署名も可能ですが、事前に委任状の準備が必要になります。

コロナ禍での特別対応: 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、一部の公証役場では特別な対応を行っている場合があります。ただし、これらの対応は一時的なものであり、通常の手続きとは異なる場合があります。

Q:文案がすでにある場合は短縮できますか?

A:はい、適切な文案があれば大幅な短縮が可能です。

短縮される部分:

  • 文案作成の時間(1〜3日程度の短縮)
  • 公証人との打ち合わせ回数(修正が少なくなる)
  • 全体的な手続き期間(通常の半分程度に短縮可能)

文案の質による差: ただし、文案の質によって短縮効果は大きく異なります。以下の条件を満たす文案であれば、より大きな短縮効果が期待できます:

  • 法的に適切な用語を使用している
  • 具体的な数値や期日が記載されている
  • 実行可能な内容になっている
  • 必要な条項が漏れなく含まれている

専門家作成の文案: 弁護士や行政書士が作成した文案であれば、公証人による修正も最小限に抑えられ、大幅な時間短縮が期待できます。

既存の合意書の活用: 離婚協議書や示談書など、既存の合意書がある場合は、その内容を公正証書化することで、新たに内容を検討する時間を短縮できます。

Q:土日や夜間でも作成できますか?

A:限られた公証役場で特別対応を行っていますが、追加費用が発生します。

土曜日対応: 一部の公証役場では、土曜日の午前中に限定して業務を行っています。ただし、すべての公証役場で対応しているわけではなく、事前の確認が必要です。

夜間対応: 東京や大阪など、大都市圏の一部の公証役場では、平日の夜間(19時頃まで)対応を行っている場合があります。

出張サービス: 当事者が公証役場に出向くことが困難な場合、公証人が出張して公正証書を作成するサービスもあります。病気や高齢などの理由で外出が困難な場合に利用できます。

追加費用: これらの特別対応には、通常の手数料に加えて追加費用が発生します:

  • 土曜日対応:通常料金の1.5倍程度
  • 夜間対応:通常料金の1.5倍程度
  • 出張サービス:出張費用(1日あたり1万円程度)+ 交通費

Q:修正が多い場合、期間はどれくらい延びますか?

A:修正の内容と回数によって異なりますが、1回の修正につき1〜3日程度の延長が一般的です。

軽微な修正の場合(1〜2日延長):

  • 誤字脱字の修正
  • 数値の訂正
  • 表現の統一

中程度の修正の場合(2〜3日延長):

  • 条項の追加や削除
  • 法律用語の変更
  • 条件の明確化

大幅な修正の場合(3日以上延長):

  • 基本的な合意内容の変更
  • 新たな条項の追加
  • 全体的な構成の見直し

修正回数の目安:

  • 初回作成:1〜2回の修正が一般的
  • 専門家作成:0〜1回の修正
  • 複雑な内容:2〜3回以上の修正

修正の回数を減らすためには、初回の文案作成時に可能な限り詳細で正確な内容を準備することが重要です。

Q:公証人によって期間は変わりますか?

A:公証人の経験や専門分野によって、多少の違いがあります。

経験豊富な公証人:

  • 迅速な内容確認
  • 的確な修正指示
  • 効率的な手続き進行

専門分野の得意不得意:

  • 離婚関連に詳しい公証人
  • 相続関連に詳しい公証人
  • 企業法務に詳しい公証人

公証役場の選択: 複数の公証役場がある地域では、各公証役場の特徴を事前に調べて、自分の案件に適した公証役場を選択することで、より効率的な手続きが可能になります。

8. まとめ|平均1〜2週間、準備次第で大幅短縮も可能

公正証書の作成期間について、詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめます。

基本的な期間の目安

公正証書の作成期間は、内容の複雑さと準備状況によって大きく異なります。一般的な目安は以下の通りです:

最短期間(3〜5日):

  • 養育費のみの取り決め
  • 簡単な金銭貸借契約
  • 事前準備が完璧に整っている場合

標準期間(1〜2週間):

  • 離婚協議書(財産分与含む)
  • 複雑な金銭貸借契約
  • 一般的な準備状況の場合

長期間(2週間以上):

  • 遺言公正証書
  • 複雑な相続関連手続き
  • 当事者間の調整が困難な場合

期間短縮の鍵は準備にあり

公正証書作成期間を短縮する最も効果的な方法は、事前準備を徹底することです。特に以下の準備が重要です:

文案の事前作成: 公証役場に相談する前に、できるだけ完成度の高い文案を準備することで、公証人との打ち合わせ時間を大幅に短縮できます。法的な正確性よりも、内容の具体性を重視して作成しましょう。

必要書類の早期取得: 戸籍謄本、印鑑証明書、住民票などの基本書類を早めに取得しておくことで、手続きの停滞を避けることができます。ただし、有効期限があるため、取得時期には注意が必要です。

スケジュール調整の事前準備: 複数の当事者が関わる場合は、早めにスケジュール調整を行い、候補日を複数確保しておくことが重要です。

専門家活用の効果

弁護士や行政書士などの専門家を活用することで、以下のメリットがあります:

時間短縮効果:

  • 適切な文案作成による修正回数の減少
  • 効率的な手続き進行
  • 公証役場との円滑なコミュニケーション

品質向上効果:

  • 法的に適切な内容の確保
  • 将来のトラブル防止
  • 強制執行可能な条項の適切な記載

費用対効果: 専門家への依頼費用はかかりますが、時間短縮効果と品質向上効果を考慮すると、費用対効果は高いと言えます。

計画的な進行の重要性

公正証書作成は、法的な手続きであるため、急ぎすぎることによる問題も発生する可能性があります。以下の点に注意して、計画的に進行することが重要です:

余裕を持ったスケジュール設定: 予定より少し長めの期間を設定し、予期せぬ遅れに対応できるよう準備しておきましょう。

段階的な進行確認: 各段階での進行状況を定期的に確認し、問題があれば早めに対応することが重要です。

当事者間の密なコミュニケーション: 複数の当事者が関わる場合は、進行状況や変更点について密にコミュニケーションを取り、認識のズレを防ぐことが大切です。

最後に

公正証書は、当事者間の合意を法的に確実なものにするための重要な手続きです。期間を短縮することも大切ですが、内容の正確性と将来のトラブル防止を最優先に考えて進めることが何より重要です。

特に離婚協議書や養育費の取り決めなど、長期間にわたって効力を持つ公正証書の場合は、多少時間がかかっても、十分に検討された内容にすることが、将来の安心につながります。

本記事で解説した内容を参考に、あなたの状況に最適なスケジュールを設定し、スムーズで確実な公正証書作成を実現してください。不明な点がある場合は、公証役場や専門家に相談することをお勧めします。

佐々木裕介

佐々木 裕介(弁護士・行政書士)

「失敗しない子連れ離婚」をテーマに各種メディア、SNS等で発信している現役弁護士。離婚の相談件数は年間200件超。協議離婚や調停離婚、養育費回収など、離婚に関する総合的な法律サービスを提供するチャイルドサポート法律事務所・行政書士事務所を運営。

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