子連れ離婚の体験談
近年、様々な理由から離婚を選択する人が増えています。
一人親家庭になった原因は死別よりも生別つまり離婚が圧倒的に多いです。
実際に子連れ離婚をした経験がある人は、子連れ離婚についてどう思っているのでしょうか。
子連れ離婚の体験談を5つ紹介していきます。
モラハラが原因による離婚:女性 32歳 専業主婦 長男(2)
結婚後にだんだん配偶者の本性が見えるようになり、モラハラをされるようになりました。
子どもが生まれてからは特に酷く、一緒に暮らせるような状態ではなくなってしまい、離婚を決意しました。
親権は私になりましたが、養育費はもらっていません。
ただ誕生日やお年玉、クリスマスなど事あるごとに私の実家にお金を送ってきます。
離婚して辛いと感じたのはやはり経済力です。
あとは世間からのシングルマザーに対する偏見です。
職を転々とする夫を見損ない離婚:女性 31歳 専業主婦 長男(7)次男(5)
自衛官の夫と結婚したはずなのに、職場の環境や人間関係により転職しました。
その後、1回2回と転職を重ねたため、私の苛立ちが最高潮になり離婚しました。
親権で揉めることはなく、子どもを2人引き取る形になりました。
私の実家が地主のためお金についての不自由はないので、慰謝料・養育費共に0円で済ませました。
子ども達が時折、父親を求めるような態度や行動をとっているところを見ると辛いです。
週1しか家に帰らない妻と離婚:男性 40歳 会社員 長男(19)次男(11)
結婚してから最初の10年ほどはうまくいっていました。
しかし妻の務めていた職場環境が変わったことにより、多忙になり、1週間の内に1日帰ってくるかこないか位にまでなりました。
だんだん妻とコミュニケーションがとれなくなり、お互いの気持ちが離れていってしまったため離婚となりました。
親権は元妻になりましたが、2人の子どもを引き取って一緒に暮らしたかったのが私の本音です。
しかし、妻も子どものことを大切に思っており、子どものために仕事を頑張っていることを知っていたので親権は譲りました。
子どもや家族がいない状況になると、最初は気楽な気持ちでしたが、時間が経つにつれ寂しい気持ちになりました。
夫の不倫による離婚:女性 35歳 専業主婦 長男(6)次男(3)三男(2ヶ月)
離婚した理由は旦那の不倫と、不倫相手に子どもができたので離婚してほしいと言われたことです。
最初は私も妊娠中だったため、絶対に離婚しないと決めていましたが、不倫相手も妊娠中であり夫に土下座して離婚を頼まれたため、離婚しました。
親権は当然母親の私が持つことになり、養育費ももちろん支払ってもらうことになりました。
ただ不倫相手も子どもが生まれるということで、養育費は3ヶ月ほど支払われたもののそれからは支払われていません。
モラハラやDVによる離婚:女性 24歳 飲食店勤務 長女(2)
結婚生活は散々でした。
夫は収入があまりないのにも関わらず、友達と飲み歩き趣味のものを買ってしまうため、私の貯金で生活していましたがすぐに底をつきました。
娘が産まれてからもモラハラやDVが治る気配がないため、離婚することにしました。
親権に関しては夫の暴力の証拠があったため、こちらが持つことになりました。
養育費については、それまでの夫の生活状況からもらえる可能性が低かったのと、私もある程度稼げる資格に合格したのもあり、要求しませんでした。
調停離婚とは
調停離婚とは
正式には「夫婦関係調整調停」といいます。
一般的に離婚をする場合は、配偶者同士の話し合いを行い、離婚や離婚に関する内容を決めます(協議離婚)。
しかし、お互いの意見が合わず話し合いがまとまらない場合やモラハラやDVなど様々な事情により夫婦間の話し合いが難しい場合に、家庭裁判所を通して離婚に向けた話し合いを行います。
家庭裁判所において裁判官もしく調停官とともに、男女1名ずつの調停委員が話し合いに立ち会います。
調停委員は中立的な立場から、夫婦がスムーズに話し合いを進めることができるようにサポートします。
話し合うことができる内容
調停離婚では①離婚そのものについて②親権者③養育費④財産分与⑤年金分割⑥慰謝料などについて話し合うことができます。
申立てる時に用意するもの
調停離婚を申立てる時に用意する物は以下の2つです。
費用
収入印紙1,200円分と連絡用の切手代金800~1,000円です。
また調停で話し合いを希望する内容に応じて、「所得証明書」や「年金支払証明書」などが必要になる場合、別途それらの発行料がかかります。
書類
必要となる書類は離婚調停申立書の原本とコピー1通、夫婦双方の戸籍謄本です。
申立ての内容によっては、情報通知書や所得証明書などが必要になります。
所轄の裁判所のホームページにどの書類が必要なのかが記載されているため、事前に確認をしておくことをおすすめします。
また、書類に加えて申立人の印鑑も必要になるため準備しておきましょう。
調停当日に持参するもの
調停当日に持参するものは①印鑑(シャチハタ×)②期日通知書③身分証明書④メモ帳⑤筆記用具の5つです。
忘れずに持っていきましょう。
調停離婚の流れ
次に調停離婚がどのような流れで進んでいくのか、3つの手順に分けて説明していきます。
申立て
原則として、相手方の住所地の家庭裁判所に調停離婚を申立てます。
期日の連絡
家庭裁判所から1回目の調停期日調整の連絡があります。
そこで家庭裁判所と日程調整を行い、1回目の調停期日を決めます。
調停期日が確定すれば、家庭裁判所から夫婦それぞれの呼出状が届きます。
家庭裁判所は平日のみ開廷しており、調停には夫婦そろって出席する必要があるため、仕事の都合を考慮する必要です。
期日の連絡は、原則申立てから約2週間後にきますが、東京や大阪などは家庭裁判所が扱っている案件数が多いため、連絡までに時間がかかる可能性があります。
調停当日
当日は待合室で待機をし、時間になると調停室に呼び出されます。
夫婦1人ずる呼び出されるのですが、先に呼び出されるのは調停を申立てた側です。
調停委員から①離婚を決断した理由②復縁の可能性の有無③財産分与、子どもの親権や養育費④離婚後の生活などを聞かれます。
その後待合室に戻り、次は相手方が呼び出され質問をされることになります。
このように交互に呼び出され、30分程度のヒアリングが2回ずつ設けられています。
調停離婚において夫婦が顔を合わせることはないので、配偶者と会いたくない場合でも安心して調停に臨むことができます。
離婚前に絶対にやるべきこと5選
離婚によってどのような問題が生じるか、調停離婚の流れについてよく理解できたと思います。
次は実際に離婚をする際に何をするべきなのかについて話していきます。
離婚を考えている方は、今から説明する5つのことを覚えておきましょう。
住宅や収入源の確保
子連れ離婚をされた方の中で多くの方が悩んでいる問題は、収入などの経済的問題です。
離婚後の当面の生活を支えるためにも住宅と収入源の確保は第一に行う必要があります。
住宅については、実家を頼ることができる場合は実家に帰る方も多いです。
そして、実家に住みながら賃貸物件を探します。
既に一軒家を持っており、離婚後も子どもと一緒に暮らし続けたいと考える方もいるかもしれませんが、財産分与により家を手放すことになる可能性も頭に置いておきましょう。
モラハラやDVにより今すぐ家を出る必要がある方は、母子生活支援施設への入所を検討してみるといいかもしれません。
収入については、専業主婦だった方は仕事を探す必要があります。
また児童扶養手当など国や自治体が行っている一人親への支援制度もあるため、収入が不安な方は市役所に相談することをおすすめします。
財産分与
離婚をする際に必ず必要になってくることが財産分与です。
財産分与は離婚をした者の一方が他方に対して財産の分与を請求することができる制度です。
基本的に夫婦が共同生活を送る中で形成した財産の公平な分配を目的としています。
不倫などにより一方に有責事項がある場合は、損害賠償の性質も併せ持っています。
したがって、全ての場合において財産を等分するわけではありません。
夫婦のいずれか一方の名義になっている財産であっても、実際には夫婦の協力によってなされた財産であれば財産分与の対象となります。
例えば夫名義で購入した住宅であっても、妻が家事等をして夫を支えていた場合は夫婦の共有財産とみなされます。
財産分与において住宅は特に問題となるでしょう。
先述したように調停離婚であれば、住宅などの財産分与の話し合いも行うことができます。
年金分割
財産分与と同じように年金分割もする必要があるでしょう。
年金分割については以下で説明する2つの制度があります。
合意分割制度
当事者の一方または双方からの請求により、婚姻期間中の厚生年金記録を当事者間で分割することができる制度です。
以下の要件に当てはまる方が対象となります
「婚姻期間中の厚生年金記録があること」
「当事者の合意または裁判手続きにより按分割合を定めたこと」
「請求期限(離婚等をした日の翌日から起算して2年以内)を経過していないこと」
3号分割制度
国民年金の第3号被保険者であった方からの請求により、平成20年4月1日以後の婚姻期間中の第3号被保険者期間における相手方の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を2分の1ずつ、当事者間で分割することができる制度です。
以下の要件に当てはまる方が対象となります。
「婚姻期間中に平成20年4月1日以後の国民年金の第3号被保険者期間があること」
「請求期限(離婚等をした日の翌日から起算して2年以内)を経過していないこと」
子どもの苗字について
子連れ離婚をする際に子どもの苗字をどうするか悩みますよね。
実は子どもの苗字は戸籍上重要な役割を果たしています。
離婚をした際、戸籍の筆頭者ではない側が戸籍を抜けることになり、親の戸籍に戻るか新しい戸籍を作るかを選択しなければなりません。
苗字については何もしなければ、旧姓に戻ります。
しかし子どもは親権に関わらず、結婚時に作成した戸籍に残り続けます。
もし子どもと戸籍を同じにしたい場合は、自身の戸籍を新しく作成し、子どもの苗字を変更する手続きをしなければなりません。
養育費の請求
離婚をする際に決めなければならないことはたくさんありますが、その中で最も大変なのが養育費の請求だと思います。
配偶者との話し合いがもつれ、離婚までの期間が長引くと、養育費の請求を諦めてしまうかもしれません。
しかし、養育費は子どもの権利であり親の義務であるためしっかりと請求することをおすすめします。
養育費の相場は、子どもが1人の場合はおよそ3万円、2人の場合はおよそ5万円となっています。
自身や配偶者の収入・生活状況によって変わるため、東京及び大阪の家庭裁判所の裁判官による研究報告である「算定表」を参考にするとよいでしょう。
算定表↓
https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/H30shihou_houkoku/index.html
ただ、請求しても支払わない配偶者もいるでしょう。
したがって、次項で養育費を請求するためのサービスを紹介します。
養育費保証サービス
養育費保証サービスとは民間企業が実施主体の、一人親家庭の養育費を支援するサービスです。
個人ではなかなか養育費を請求できないという社会問題を背景に、近年民間企業と自治体が協働して支援を行っています。
では具体的にどのようなサービスなのでしょうか。
養育費保証サービスでは、元配偶者からの養育費の支払いが滞った場合に、保証会社が代わりにその月の養育費を立て替えて支払ってくれます。
養育費を立て替えた保証会社は、元配偶者に立替金を請求します。
養育費受取者と養育費支払者の間に保証会社あるイメージです。
養育費を確実に受け取りたい場合や元配偶者と連絡を取りたくない場合に有効なサービスとなっています。
保証会社と契約するのは、養育費受取者であり保証料を払う必要がありますが、毎月の養育費を請求する手間が省くことができます。
養育費保証を利用する場合、元配偶者の同意は必須ではなく、連絡をとりたくない場合は不要です。
元配偶者の同意がある場合は、保証会社と双方が契約を締結し、支払いに関するプランなどを選ぶことが可能です。
話し合いの末、お互い連絡をとることが面倒だと感じる場合は利用するのがおすすめです。
同意が難しい場合でも、契約の締結はできます。
自治体によっては、養育費保証サービスを利用する際の初期保証料を補助してくれる支援もあります。
一例ではありますが、以下の自治体が補助金制度を実施しています。
「東京都府中市」「愛知県大府市」「大阪府大阪市」「兵庫県明石市」「福岡県福岡市」
他にも支援を行っている自治体はあるため、自身の住む自治体について一度調べてみるといいでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は子連れ離婚の体験談をもとに、やるべきことを5つ紹介しました。
離婚を考えている方は、ぜひ今回の記事を参考にしてください。